寝過ごしそうになって、急いで降車ボタンを押して、財布を開く。
 バスから降りると、冷たい水滴がおちてきた。
 雨だったなんて、まるで気付かなくて、バスがとっくのとうに行ってしまったというのに、
 歩道ぎりぎりのところで、立ち竦んだまま。
 しばらく空を見ていた。

コメント