君が気を使うのを見ると
懐かない猫みたいで落ち着かなくて、
どろどろに甘やかしたくなる。
けど、
君が傘を半分差し出してくれた事は嬉しいんだ。
掴み取れない悔しさで、
握りこんだ掌には
思い出と共に刻んだ爪痕が残る。
出口を探して彷徨うよ。
理由も分からず這入らなければよかったんだ。
ビニール越しに世界は、
光がぼけて柔らかくなる、
空が見渡せる。
雷光を臨んで、
すべて壊れてしまえという君を
見てると悲しくなって、
けどなにも言えなくて、
苦笑しか浮かばないよ。
祝福の雨だ。
あなたのためだけに空が神が、
世界を幸福で濡らすため。
靴の底が磨り減って、
溝に取れない石が嵌って。
どこをどう歩いてきたかなんてよく覚えてない。
いままでの意味ってなんだろう。
見えなかったものが見えてくる、
机の上にあるものをすべてどけてしまおう。
昔から探してた大事なものが見つかるから。
白く、青く、
清く行こう。
いつでも君と手を繋げるように。
きれいなきれいなこの世界は、
きれいにきれいに回ってて、
きれいにきれいに荒んでく。
未来はまあるく蹲る。
濡れたて潰れた箱を後生大事に抱えたって、
守りきれるものではないし。
いつまでも其処に居座っていたら、
大事なものなんて、何一つなくなってしまうんだよ。
耽る夜も、
死ぬ朝も、
眠る昼さえも、
片時も離れず其処に居た。
光る空に心を盗られ、
轟々と世界でもひっくり返してしまいそうな音を
ずっと聴いていたいと想った。
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