その人の言動で感情が形成され、心が揺れる。
それは恋と呼べるでしょう。
意思の疎通など初めから絵空事で、
在り得ないことだったんだよ。
だから悲しむことはしないで。
神様は在りもしない希望を私たちに与えたんだ。
泣くのは痛みを減らすためで、
逃げるのは痛みから遠ざかるため。
好きとか、恋とか、愛だとか。
それに当て嵌まるかは分からないけど、
その人に対して、特別な感情を持っていて、
それを自覚しているくせに、何か分かっていないから
持て余し気味。
人に優しく出来ないときは、
誰とも会いたくないときで、
私が一番醜いとき。
袖を掴んでも、
肝心の言葉が出てこない。
なんでもないと、笑って袖を離すたび
少しずつ距離ができる。
始まりが見つからなくて、
躍起になって紐を解いた。
結局、世界のすべてをいらないと言える君は、
僕なんか、視界にも、思考のかけらにも入れず
必要な、手にもてるだけのものを持って歩くのでしょう?
それでも、片手だけ空けている君が、とても憎らしい。
不安定だから揺れるんじゃなくて、
安定していて揺るぎないように見えて、
簡単に崩れてしまうような現状から目を背けているから不安定なんだ。
聞こえてくるものがすべてじゃないと言っていたのは君なのに。
求めるものが間違っているのは分かっているけど、
それでも止まることはなくて、
術も持たない。
あなたの言葉にいちいち真面目になるのは馬鹿みたいで。
痛くないようにそっと流す。
ほんとうのことなんて何一つ知らないし分からない。
たった一つであろう真実とも出会えないから、
私はこの霞んだセカイで充分なの。
涙さえ、信じることがなくなったのはいつからだろう。
口づけを重ねることが出来なくなるとしても、
言葉を無くしたかった。
意味も分からずにただ傍に居た。
考えようとも思わなかったし、
疑問にさえ浮かばなかった。
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