見えるものすべてを塗り替えてしまうような、
 そんな一日だった。

 落ちてくる雨を掴もうとした。

薄。

2006年3月18日 雨降りの日。
 切り捨てることは叶わない。
 遮ることなど出来る筈もない。
 他でもない君だから、
 誰でもないあなただから。

 いなくなるべきは僕だろう。

雑踏。

2006年3月17日 雨降りの日。
 通り過ぎることも出来ず。
 立ち止まることだって憚られた。

 忘れたはずのあなたを追い越すことが、どうしてもできなかった。

意識。

2006年3月16日 雨降りの日。
 差した傘は、とても手に重かった。

 君の背中を見ていると、
 どうしても我慢できなくなるんです。

 消えそうになる痛みが苦しかった。
 さよならなんて言えるわけがない、

 言い訳がましいと言われても、
 ただ、外へ出る理由が欲しかっただけ。

 なにもない特別な日。

色覚。

2006年2月16日 雨降りの日。
 どうしても色が。
 どうしても空が。

奇蹟。

2006年2月1日 雨降りの日。
 知らないことが罪ならば、
 それはすべて洗い流されるはずだけど
 あなたはそれでも許してはくれないから、
 私はまた罪を犯したのでしょうね。

片鱗。

2006年1月31日 雨降りの日。
 死にそうなくらい嬉しかった。
 君がとても眩しくて救われる。

 何もない白に足跡を残す。
 印でも傷でもなく、思い出でもない。
 ただの足跡を。

 あなたに逢えた。

 消えていく想いを眺めながら、

颯爽。

2006年1月16日 雨降りの日。
 おはようも、さよならもなしに。

 出逢えなかった悲しみ。

 知らないままで居て欲しいわけじゃないけど、
 知って欲しいとも思わないよ。

 訳もなく涙が止まらない。
 ただただ辛くて悲しいだけなのに。
 私はなんて贅沢なんだろう。

渇水。

2005年12月4日 雨降りの日。
 乾ききった躯には痛いくらい。

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