光源さえ見つかればどうにかなるのだと、
 そうずっと、それを信じていた。
 いつか、いつかと。

刃。

2005年9月21日 雨降りの日。
 遠いものだと思っていたから、
 目の前にあると気付いた瞬間に、
 とても痛く、グサリときたんだ。

蝋。

2005年9月20日 雨降りの日。
 消えなくて、消えなくて、
 いつまでも、瞳の中に残ってる。

奇想。

2005年9月11日 雨降りの日。
 この場に留める術がなくて、
 耳に届く音だけが哀しくて、
 いつまで泣いていいのか分からなかった。

口承。

2005年9月7日 雨降りの日。
 恋、焦がれ
 焦がれつつ、

構想。

2005年9月6日 雨降りの日。
 伸びた爪がかけてしまった。

豆。

2005年9月5日 雨降りの日。
 雨の中の落し物。

 意地はることしかできなくて、
 突っ張ったままの腕がいたい、

 押し潰されてしまうような、不安が消えなくて
 いつまでも袖を掴んでた。

 しぼんでしまって、二度と元の形にはもどらなかった。

舗装。

2005年8月23日 雨降りの日。
 少し晴れ間ものぞく雨。
 だから、キミの機嫌ははかりにくい。

 視界が悪くて、
 前も後ろも見えなくて、
 握っているはずの手さえ見失いそうになる。

聖祭。

2005年8月13日 雨降りの日。
 傍にはなにものもなく、
 ただ降り積もるだけの、

 理由はそこら中にあるのだから、
 いくら探しても無駄なのだと、分かっていたなら
 どうして早く教えてくれないんだ。

 細切れになるほどに強く握ったつもりなんてなかった。

 何も浮かばない、
 何も残ってはいない、
 だから、わたしはひとりなんだ。

雷雨。

2005年8月8日 雨降りの日。
 雨の匂いと
 土の匂い
 体の芯が凍えるほどの冷たさと

 ひかりと音と、

 欠けてしまったら、もう戻らないのだと
 そのときになって初めて、やっと解かった。

 失くしてしまうはずがないと、
 無くなるはずがないと、そう知っていたから。

 あと少しでいいから、一緒に居たかった。

 染みることなく、
 弾いてしまうことが悔しくて、
 どうしようもなくて、ずっと濡れていた。

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