光源さえ見つかればどうにかなるのだと、
そうずっと、それを信じていた。
いつか、いつかと。
遠いものだと思っていたから、
目の前にあると気付いた瞬間に、
とても痛く、グサリときたんだ。
消えなくて、消えなくて、
いつまでも、瞳の中に残ってる。
この場に留める術がなくて、
耳に届く音だけが哀しくて、
いつまで泣いていいのか分からなかった。
意地はることしかできなくて、
突っ張ったままの腕がいたい、
押し潰されてしまうような、不安が消えなくて
いつまでも袖を掴んでた。
しぼんでしまって、二度と元の形にはもどらなかった。
少し晴れ間ものぞく雨。
だから、キミの機嫌ははかりにくい。
視界が悪くて、
前も後ろも見えなくて、
握っているはずの手さえ見失いそうになる。
理由はそこら中にあるのだから、
いくら探しても無駄なのだと、分かっていたなら
どうして早く教えてくれないんだ。
細切れになるほどに強く握ったつもりなんてなかった。
何も浮かばない、
何も残ってはいない、
だから、わたしはひとりなんだ。
雨の匂いと
土の匂い
体の芯が凍えるほどの冷たさと
ひかりと音と、
欠けてしまったら、もう戻らないのだと
そのときになって初めて、やっと解かった。
失くしてしまうはずがないと、
無くなるはずがないと、そう知っていたから。
染みることなく、
弾いてしまうことが悔しくて、
どうしようもなくて、ずっと濡れていた。
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