鳥。

2005年7月23日 雨降りの日。
 叫び声に聞こえた気がした。

 なにならいいの。
 いつならいいの。

 この悲しみが止まるのは。

 祈りたくなる、切な気持ちが込み上げてきて、
 視界が曇る、外をみた。

渇き。

2005年7月11日 雨降りの日。
 少しずつ溜まって、
 やっといっぱいになったのに、
 それはまた少しずつ減っていく。

葉脈。

2005年7月9日 雨降りの日。
 微かな傷にも染みこんで、
 体中を侵す。

 度々思い出すわけじゃないけど、
 浮かんでくるんだから仕方ない。

 収まることのない、熱を押し込んで
 見えることのない対岸を見つめ、祈る。
 神になど祈りはしない。

 それで雲が晴れるなら、なんと簡単だろうか。

 染まってしまえばいいと。
 少しずつ沁み込んで、侵して、滴るくらいに。

 捨ててしまうことはできないから、
 雨で流れてしまえばいいと、想った。

混迷。

2005年7月1日 雨降りの日。
 雨が痛い。雨が痛い。
 空が泣くという。
 では雨は泣かないの。

禊。

2005年6月30日 雨降りの日。
 打って変わった空が憎らしい。

疾走。

2005年6月29日 雨降りの日。
 流れを止めることは誰にもできなくて、

 触れることさえ許されず、
 キミは檻の中。

日日。

2005年6月27日 雨降りの日。
 口なんて、信じられたもんじゃない。

 締め切った窓からでも聴こえるくらい、
 大きな音で。
 誰も独りにはしてくれないと、少し、耽る。

 突然の訪問で、喜びより戸惑いのほうが大きかった。

定理。

2005年6月20日 雨降りの日。
 易々と掻き消されてしまうくらい、
 弱々しい存在。

十色。

2005年6月17日 雨降りの日。
 微かな痛みを訴えるように、希薄なみちゆき。

特徴。

2005年6月15日 雨降りの日。
 音がすき。

 振り返ることなく、
 きみの足跡は続く、
 少しずつ消えていく、

1 2 3 4 5 6 7 8 9