なにならいいの。
いつならいいの。
この悲しみが止まるのは。
祈りたくなる、切な気持ちが込み上げてきて、
視界が曇る、外をみた。
少しずつ溜まって、
やっといっぱいになったのに、
それはまた少しずつ減っていく。
度々思い出すわけじゃないけど、
浮かんでくるんだから仕方ない。
収まることのない、熱を押し込んで
見えることのない対岸を見つめ、祈る。
神になど祈りはしない。
それで雲が晴れるなら、なんと簡単だろうか。
染まってしまえばいいと。
少しずつ沁み込んで、侵して、滴るくらいに。
捨ててしまうことはできないから、
雨で流れてしまえばいいと、想った。
雨が痛い。雨が痛い。
空が泣くという。
では雨は泣かないの。
締め切った窓からでも聴こえるくらい、
大きな音で。
誰も独りにはしてくれないと、少し、耽る。
振り返ることなく、
きみの足跡は続く、
少しずつ消えていく、
1 2 3 4 5 6 7 8 9