虹色。

2005年11月15日 雨降りの日。
 強く強く、
 その願いそのままに色づいた。

隠匿。

2005年11月14日 雨降りの日。
 知らずにいたことを罪というのなら、
 隠していたキミはナニ。

空が。

2005年11月6日 雨降りの日。
 雨に溶ける。

天窓。

2005年11月3日 雨降りの日。
 色を遮る。

着信。

2005年10月31日 雨降りの日。
 息が止まるほど安心した。

 泣きたくて、泣きたくて仕様がなかったけど。
 ここで泣いてしまったら、
 この涙は、ただの自分のための涙になる気がして。
 どうしても、泣くわけにはいかないと意地をはった。

 逃げるといいながらも、
 走っては振り返り、走っては振り返り、
 キミを確認する自分がキライだった。

様相。

2005年10月26日 雨降りの日。
 好きを詰めることに、抵抗を感じた。

 恋しくて、恋しくて、たまらなかった。
 待ち遠しくて、待ち遠しくて、
 すぐにでも傍にいたかった。

 雨の中で泣いたら誤魔化せるだろうか、
 誰にも気付かれず、
 すすり泣く音も、涙も雨に消える。

泉の手。

2005年10月16日 雨降りの日。
 優しくて、暖かくて、
 その手のひらだけが、ただ光って見えた。

八百万。

2005年10月15日 雨降りの日。
 生きていくのに、必要のないもの。

四方。

2005年10月11日 雨降りの日。
 拾わない、捨てない、流されない。
 そう胸に刻んだのは何時。

誰も。

2005年10月10日 雨降りの日。
 拾われたから、
 それを胸にしまって。
 音を感じて、
 静かな部屋に耳を傾けた。

 逃げないように、
 行かないように、
 居なくならないように、
 消えてしまうことのないように。
 恋を殺していきましょう。

 聞いたこともないような、
 そんな言葉を聞いたようで、
 しばらく手足が弛緩した。

 ずっと一緒に居ることは、
 不可能なのだと見せ付けられているようで
 どうしても好きにはなれなかった。

香。

2005年10月6日 雨降りの日。
 哀しみの味がした。

 秋の雨の匂い。

 夕暮れ時の、その足で。

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