雨音。

2004年10月31日 雨降りの日。
 耳に五月蝿く響く音は
 終わりなどないかのように思えて
 目覆う。

停留所。

2004年10月30日 雨降りの日。
 天気予報は曖昧で
 念のために持っていった傘が役に立った
 屋根のない場所でバスを待つ

 きみは一人、傘もささずに。

みっつ。

2004年10月26日 雨降りの日。
微かにする雨音に
耳を傾けて

ねむらない夜を過ごす。

窓。

2004年10月26日 雨降りの日。
四角い枠から見た景色は
灰色で
色鮮やかに動くものが見えた

朝霧草。

2004年10月21日 雨降りの日。
ぼんやりときみのことを考えていると
いつの間にか雨が止んでいました。
けれど空は曇ったまま。

覚束ない足取りで
雨の街をゆく

不安定な心そのままに
ゆらゆらと

湿った心が
雨に濡れる

霏々。

2004年10月19日 雨降りの日。
雨が降る
そしてまた闇が落ちる。

傘模様。

2004年10月13日 雨降りの日。
こないだの休みに買ったばかりの真新しい傘を差す。
ワンタッチ式で、大きめの、チェックの傘。
降ったり止んだりの、不安定な雲空の中、人混みを縫うようにふらふらと歩く。
傘を少し傾けながら、建物の合間に見える空をみる。

あい。

2004年10月12日 雨降りの日。
濡れるきみの左肩。
ぼくは気付いているというのに、何も言えなくて。
ただ、そのまま歩いてくんだ。
ふたり、幸せを語りながら。

小雨。

2004年10月10日 雨降りの日。
流れるはずがないものが頬をつたう
ゆっくりと歩きながら
声にならない声で叫ぶ

嵐。

2004年10月9日 雨降りの日。
どのくらい耳を塞いで目を閉じればいいのでしょう
自らを掻き抱いて
嵐が過ぎるのを待つその姿が。

いくら雨が冷たくとも
冬の寒さには敵いませんね

指も、耳も、痛くならないんですから。

手に慣れぬ傘を
右へ左へと持ち替えて

秋雨。

2004年10月3日 雨降りの日。
落ちる雫に
吹ける風
少しずつゆっくりと、けれど確実にその身を蝕む

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