罪とか罰とか、
なんでそうやって荷物をわざわざ重くするの。
振り返る暇もなかったから、
ここがどこかなんて、答えられるはずもなかった。
正しいことなど何ひとつないこの世界で、
自身を貫くことは難しい。
名はありもしない枷をつくる。
名は名を縛り、身をも縛る。
夢みることを止めないで。
それさえ失ってしまったら、
もうなにもない気がするの。
当然のように風が吹いたから。
あなたがそのままに受け止めていたから。
私にもできると、
浅はかだった。
あまりにもゆっくりと過ぎるものだから、
大事なことが抜けていた。
綺麗な群青の空だった。
すぐに闇が深くなって、それは一瞬だったけれど、
不思議といつものような悲しみはなかった。
だって、顔を変えた空はやっぱり綺麗だったし、
待っている間は酷く退屈で。
けれど、蟻一匹潰すことさえ億劫で。
視えることが少なかった。
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ただ、それだけだったけれど。
それだけと言うには少し、無責任だったかもしれない。
夢の中なら信じれた。
いつかきっと、来てくれるって。
何か言った方がいいのか、何も言わない方がいいのか、
いつも迷って、結局何も出てこなくて、貴方を怒らせてばかりで。
どうしたら、気に障らずに済むんだろう。
貴方が私の事で楽しんでくれるだろう。
優しい人じゃだめなの。
痛みを与えてくれる人じゃなきゃ。
流れるように、過ぎるようにというのなら、
じっと耐えて、経つのを待とう。
自分で動くことをしないなら、あとで言い訳も効くでしょう。
好きになったのは私なのだから。
貴方になにかを押しつけるつもりはないんだ。
返ってくることのなかった想いに、罪はないのだから。
痛くて、痛くて。
涙を我慢できたのが、不思議なほどで、心が壊れてしまったと思ったの。
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