意地になるほど守るものが、
人にあるとは思えなくて。
あの人が出た夢の中は、
日が昇る前の、薄暗い朝で
私の中で、あなたはやっぱりそんな人だということなのかと想った。
執行猶予と同じ。
間に空いた、間隔が長い程、不安定になる。
大人は嫌だと思った。
それはわたしが子供だからだろうか。
あんなものにはなりたくはないと、思うけれど。
いつか、わたしもああなるのだろうと、漠然と思う。
帰りには上がっていた雨は、
水を含んだ空気を霧のように残して、
夜に溶けた。
ああ、やっぱり好きなんだ。
そう想ってしまったら、もう負けじゃないか。
変わった部分も、勿論あったけど。
認識が変わったというより、見方が変わっただけで。
また、改めて好きと想う。
透明のエナメルが、かけらでも剥がれれば
もう、捕まってしまったということ。
善悪も好きも嫌いも、分けることは簡単。
けれど、決めることには多少の困難がついてくる。
高嶺の花。
貴方は見てるだけがいい。
**
だって、少しでも近づけば、貴方は逃げてしまうでしょう？
それだけは嫌だから。
**
逃げてしまえば最後、
もう二度と傍で囀ることがないと知っているから。
半身がないというのに、
雨は容赦なく降る。
否応なしに変わることなく。
会うと痛んだ。
一緒にいると心が軋んだ。
声を聞くと足取りが不確かになった。
視界に入るだけで眩暈がした。
存在だけで、死にそうだった。
頭の良い人は好き。
頭が悪い人や弱い人が嫌いなわけじゃないけれど。
話を聞くだけで、傍から見てるだけで楽しいから好き。
日の長さで、季節が変わるのを少しずつ見るのが好きだったのに。
今日は雨。
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