鳥。

2005年2月16日 一部。
 傷つき、羽ばたくことが出来ず、
 もがき苦しみ、空を仰ぎ、
 すべてに絶望するだろう。

 痛みを感じることなく、生きてきた人形というものは
 簡単に壊れてしまうから面白くない。

真綿。

2005年2月14日 呟き。
 想いを口にしてくれる人が好きだ。
 例えどんな大嘘吐きでも、紡いでくれる人が好きだった。

 きっと、自分にないものに惹かれるのだろう、と。

白夜。

2005年2月13日 一部。
 刻まれた十字と
 偽りで塗り固められた誓い。

余罪。

2005年2月12日 呟き。
 大罪を犯したという自覚もないままに、時は止まる。

野。

2005年2月11日 一部。
 目を、開けていることが辛かった。
 何事も、正面からではなく、俯いて見ていた。
 徐々に、見えていた視界まで狭くなって、黒くなった。

重力。

2005年2月10日 呟き。
 空に向かって突上げた拳と
 地面に落とした腕。

呪。

2005年2月9日 呟き。
 朝は痛いけど、夜は優しい。

軌道。

2005年2月8日 雨降りの日。
 油断していると、
 降るように、落ちるように来るものだから。
 距離を置きながらも、決して視ることをやめられないんでしょうね。

螳螂。

2005年2月8日 日々。
 鈍くなっていると、そう思うのだ。
 涙だけなら、理由もなくふとした時に零れるというのに。
 現在も過去も先のことも思い出も
 それは意味のあることでありながら、
 色をなくしていく。

不燃ゴミ。

2005年2月7日 呟き。
 逢いたいと、願う気持ちさえ
 ほんとうかどうかなんて、分からなくなる。

 仮面をとるなんて出来ないから、
 誰かの皮を被りながら、
 嫌いな自分を演じる。

花冠。

2005年2月5日 呟き。
 爪先で踊る、
 龍の花嫁。

昆虫。

2005年2月4日 呟き。
 また距離を間違えたのだろうか、
 それとも優先順位が変わっただけだと?
 下落していくものを見るのは、とても楽しいだろうけど
 あまりいい気分になれないのは何故だろうね。

縫目。

2005年2月3日 一部。
 捨てられた想いが痛い。
 切り付けられた言葉が痛い。

切れる。

2005年2月2日 日々。
 限界があるというのなら、
 それがくる時まで、立ってやろうじゃないか。

糸張り。

2005年2月1日 日々。
 身体的痛みも、精神的な痛みも、
 分かり合うことなどできないのだから、
 言ったところで、秤具合の問題になる。

 人の感情が読めるようになって、
 あの人も人間なんだと、今更のように気づいた。

朝顔。

2005年1月30日 一部。
 好きじゃなくなれば、あなたは私を認めてくれるのだろうか。
 何が混じってるかなんて分からないような涙や笑顔じゃなくて、
 何もない無言がいいというのなら、
 私は物言わぬ種になろう。

配合。

2005年1月29日 呟き。
 たくさん言う「ありがとう」の中に
 「ごめんなさい」が混じっていることを
 わたしは知っている。

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